それは1988年9月某日。
王子の住むアパートの近くの行きつけのコインランドリーで。
そこで初めて いわゆる "ちゃんと" 実物に会った。

わたし18歳と9ヶ月。
王子はもうその年の6月に23歳になってたなぁ。

もちろんライブなどで 本物を見たことは何度かあったし
入り待ち・出待ちで目にしたことも何度かあったし
当時ラフィンの事務所と同じ駅に住んでいたので(もちろん故意(・_・;))
道端や地下鉄構内で姿を見かけたことも何度かあった。
(そういう時は完全にビビッてしまって 到底声はかけられず
ただの通行人と化してしまうのではあるが -_-; )
だからオフの時に、まったく素で、会う約束をして
実物の本人にプライベートでちゃんと会ったのはその時が初めて!

それは 大好きになった高校2年生からちょうど2年。
王子に会いたい一心で、それだけが理由で
まだ右も左もわからない18歳が単身で
東京に無鉄砲に引っ越していって半年も経ったころのこと。

ついにその時はきた! 的な。
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なぜそんな流れに?
はい... 必死で追いかけていたら、情をかけてくれる人がいるもんで^^

「自分はNAOKIファンではないけど
住所と電話番号知っているから教えてあげる」って。

都会って、東京って、そんなことホントにあるもんなんだねー。
いきなりド級の宝石が空から降ってきた!!みたいな。
今となってはその教えてくれた人のこと覚えていないけど
なんの躊躇もなく、ありがたく、それをいただいたわけですわ。
個人情報だだ漏れ時代のことですな。
それが本物だろうってことは直感的にわかった。

住所と自宅の固定電話番号が手に入ったら、どうするかって
普通ならどうするんかな?
わたしはシナリオを書き落とし、何度か練習してから
ある日の午後、いきなり電話をした。 (よー やるわ^^;)
なんの共通の話題もないので、質問を。

「急に電話をかけてスミマセン。NAOKIさんのファンです。
 わたしもそんなふうに髪の毛をきれいな青色にしたいのですが
 どうやってやったらいいですか?」 これだ。笑

実物と会話をちゃんとするのはその電話が初めて!
そりゃまあキンチョーしていたでしょうね。
でもそんなしょーーーもない誰かわからんヤツの質問にも
王子は全然面倒くさがらずに、むしろ楽しんでるような感じで
髪の毛の染め方を一からひも解いてていねいに
時間をかけて教えてくれた。

当時、すごいバンドブームの中でのアイドル的人気者!
すっごい有名人だったのに、急に知らない人から電話かかったのに
(なんで俺の電話知ってるんや)とか気持ち悪がることもなく
(そんなん自分で考えろや)とか(そのへんの人に聞けや)などもなく
ほんとうに気さくに、今とまったく変わりなく接してくれた。
(ヒマだったんかな?たぶんそう^^; 
今ほど自分がやらなきゃいけない雑用仕事がないから。
すべて事務所の人がやってくれていた時代。)

そしてその電話のすぐ後に、わたしは初めて事務所ではなく
王子の自宅宛てにファンレターを送った。
「先日、髪を青に染めるどーこーで電話したものです」と。
「NAOKIさんが好きで、広島から東京に引っ越してきました」と。
あーーー 強烈^^; 

その後、立て続けにファンレターを送り付け
何度か勇気を出し、さらに電話をかけたりして
ちょちょっとおしゃべりすることが始まった。
すると、一応「あ、こないだの広島の子」と認識してもらえてきて
いやぁ わたし、きっと天にも昇るような気持ちだったでしょうね。

「あのNAOKI 実物と電話でおしゃべりしている。」

当時出ていたテレビの録画を擦り減るほど見まくっては目をハート♡にして、
学校に行けば教科書やノートにNAOKIのイラストを描きまくったり←いまも持ってる
ラジオの後ろにたま~に聞こえる王子の声(メインじゃないから^^;)に
耳を澄ませて、キュンキュンしていた田舎の女子高生だったんですから。

で、その数回のファンレターと電話の次に
わたしが要求しはじめたことは必然的に
「会いたいです」になるわけで^^; (よーーやるわ^^;)

自分が学校お休みの日に、向こうもお休みだとわかってて
NAOKIの住んでる最寄りの駅に降り立ち
「いま西荻窪駅の公衆電話から電話してまーす」って
(もーーー いま考えたら、そーとー怖い^^; ストーカー行為)
だけど当時は案外いまほどそういうことって怖くない、ていうか
男女がラブをアピールする方法って、そんなアナログが普通でしたもんね。

王子は気持ち悪がるどころか
「じゃ今からコインランドリーに洗濯しに行くから、そこに来る~?」
って、今とおんなじ! かわいくって軽いノリ^^

「い、伊、伊、伊、伊、行きます・・・・・ッッッッ!!!!!」
今のようにスマホの地図も、ケータイ電話もないってのに
どうやってそのコインランドリーにたどり着いたんでしょう。
そりゃもう本能か、嗅覚にちがいない!(笑)

んで、待つこと、さあ15~20分くらいだったか...
その小さな古いコインランドリーの中の椅子に腰かけていたら
「こんにちは~~~」 って!! 
サラサラに下ろした青い髪のNAOKIが
自転車の前かごに洗濯物を入れて、
首を傾けるように、めちゃ人懐こい笑顔で入口をのぞいた。

(どっひゃーーーーーー 本物NAOKI!!嘘じゃろ?!笑)

そうね~ ちゃんと覚えてるのは、その瞬間だけ(笑)
あの入口をのぞいた クシャっとした笑顔が
あまりにもキラキラしていて、印象に深すぎて
いったいその日、そこで何を話したのかまったく覚えてないし!
でも洗濯の回っている間、ずっとそこでおしゃべりをした。
あれはまさに少女マンガの
「手が届くはずないバンドマンに恋した乙女、ついに実物と遭遇編」
あんなことって人生にあったりするんですね~。
って、無理やりそこへたどり着くわたしもミラクルだが
まあ そうするために東京へ引っ越してまで来たのだから
当然と言えば当然の流れだったのかもしれません。

それから後、わたしが東京を去るまでの1年少々の間に
10回以上は王子の自宅に押しかけています 笑
その全てが2DKのDKとこに座り込んでずっとおしゃべりしているだけ。
年ごろの女子としちゃあ、めずらしくホントにそれだけなんですけどね。笑

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                       (2019.4.20 by iPhone)

2019年4月 わたしは1人 東京ノスタルジックツアーに。
30余年経ったあの時と同じ、春の日の感慨。
そして今でも覚えている 駅までのこの緩やかな坂道。
王子のアパートから駅までは結構遠くて、でもそれはうれしい不便だった。
ここを何度か一緒に歩かせてもらったときに1分でも長くいられたから^^ テヘ
1度、1つの傘で歩いたことも♡ あーーー ありがとう青春!!(*゚▽゚*)

「やるといったらヤル!やってやるーーー!!」
そんな熱量が今とそれほど変わっていないところが
自分の疲れるところであり^^; 嫌いではないところデス^^;


この話にはすこし余談があって...
実はそこにはわたしは友達と2人で行っていたのです。
その子はわざわざ特筆するほどに
ものすごーーーくお人形さんみたいに可愛い女の子だった。
しかし強烈なPONちゃんファンだった。
同じバンドということで彼女にとってもNAOKIはスター!
2人でキャッキャッ言うてはいたけれど
王子は自分のファンである、ブッサイクなわたしのほうを
最終的には ちゃんと相手にしてくれた(気がする)のだ。

最初2人を目にしたとき 
「なーんだ、こっちのほうか」って正直思ったハズ。
いやそのくらいわたしは田舎もん丸出しで
残念ながら造作に優れていないうえに
顔の整え方や洋服の選び方も何にもわからない
ただのブッサイクな少女だった。 ホントに。
いまでこそちょっとだけお化粧したりしていて
コマシに見えるときもあるかもしれないけれど
いや、ほんとヒドかったんだって わたしε=ε=(;´Д`)

王子は若かったにもかかわらず、美しいもの重視の人にもかかわらず
そういう偽善かとも思える対応のできる内面を持っていた。
その気の使い方、その天性のやらかーい人柄。
でも人の中身を見抜くことができて、それを汲み取れる度量。
そういう人間力があったからこそ、外見だけの憧れではなくなっていった気がする。
「そりゃファンだから、優しくするでしょ」...って思うけど
当時はそんなことしなくってもファンは増殖してたし
バンドマンってそんな感じのいい人ばかりじゃないもん^^;

18歳で東京に引っ越していったときのわたしの目標は
ただただ「NAOKI実物に、近くに、お目にかかりたい!」ということ。
しかし本末に望んだ初志は、これがまた決して彼女とかではなく
「歳をとった時にも友人みたいな関係になれますように」
これは当時のメモ帳にも書き落としていることで
だってそのほうが長く関係を築くことができる、と思っていた。
そして現在。
友人とまではいかずとも、はるか30余年をかけた少女の壮大な計画が
よもや形になってる気配しなくもないところは
18歳のわたしの信念はやっぱり本物だったな!と自己満足するところ(´∀`)
わたしの押しかけがなければ、それもなかったことなのですが
ご本人が応えてくれなかったら、それもないところ。
だから与えてもらった目に見えないご恩は一生忘れない! ←かたくな。

そんなこんなで、わたしの中でいまもときめく王子♡
いまも鮮烈に記憶する初めて "実物" に会ったときのおハナシ☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;
でした(;´▽`A`` あー長かった んふふ



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